離乳食が進み、手づかみ食べにも慣れてきたら、次にステップアップしたいのがスプーン操作。
今回は、スプーンの具体的な練習方法について、作業療法士ならではの手の発達段階と合わせてご紹介します。
と、その前に・・・スプーン練習を始めるためには、何より食事姿勢が大切です。
正しい食事姿勢については、ぜひこちらの記事をご覧ください。
手と運動の発達段階
手は、体に近い関節(肩)→体に遠い関節(手指)へと発達していきます。
それに伴い、運動も大きな関節や筋肉を使う粗大動作→小さな関節や筋肉を使う巧緻動作へ発展していきます。
そして、手を使った運動がしっかり行えるようになるためには、土台となる姿勢(体幹)が安定していることが大前提となります。
これが、スプーン練習を進めるにあたり、食事姿勢が大切であるゆえんです。
スプーン持ちの3ステップ
①上手持ち
一番初めに教えるスプーンの持ち方です。
なぜこの持ち方が最初なのか?というと、この持ち方では主に肩と肘を使って食べ物をすくいます。
体に近い、大きな関節を使った動作なので、手指の発達がまだ不十分な乳児でも行いやすいです。
②下手持ち
次に教える持ち方です。
この持ち方では主に、前腕と手首を使って食べ物をすくいます。
上手持ちより、もう少し細かい運動の調整が必要になります。
③三点持ち
最終的に目指す持ち方です。
この持ち方では主に、手首と手指を使って食べ物をすくいます。
そのため、スプーンの角度やすくう量など、細かい調整ができるようになります。
おすすめのスプーン
作業療法士の私がオススメしたいスプーンについてご紹介します。
離乳食スプーン
ごっくん期(離乳食初期)
まずは、食べ物やスプーンが口に入ることに慣れる時期。
そのため、先端が柔らかく、それでいてママ・パパが食べさせやすい形状のこちらのスプーンがオススメ!
柄のカーブで、子供の口元が見えやすいです。
もぐもぐ期(離乳食中期)
初めてのスプーン練習には、同じくリッチェルのこちらオススメ!
握りやすい形と、少し斜めになった先端の形状が特徴的です。
ただし、こちらのスプーンは右利き専用。
左手をよく使いたがるお子さんや、逆に先端部が曲がっていることで口にいれにくそうなお子さんには、次にご紹介するスプーンの方が良いです。
ぱくぱく期(離乳食後期)
こちらのスプーンは、後の箸操作や鉛筆操作に必要な三点持ちを促すスプーン。
柄が三角の形状になっているので、自然と三点持ちが身に付きます。
個人的には、これが一番オススメのスプーンです!
幼児食スプーン
離乳食完了期~幼児食移行期になれば、こちらの三指持ちスプーンがいいでしょう。
三指持ち=三点持ちなので、同じく柄の形状が三角になっており、箸へのステップアップがしやすくなります。
逆に・・・おすすめしないスプーンとは?
最近SNSなどでは、このように大きく握れるタイプのスプーンが流行っています。
ですが・・・個人的にはあまりオススメしません。
実はこれ、脳性麻痺などで握り動作が困難なお子さんに用いる自助具に似たスプーン。
確かに一見握りやすいかもしれませんが、それによって本来身につくはずの手の機能の発達が遅れたり、外出先で同じ形状のスプーンがなくて食べられない・・・などということが起きる可能性もあります。
定型発達のお子さんに用いるのは、少しもったいない気がするのです。
とはいえ、お子さんに自分で食べたい気持ちが強く、このスプーンであれば上手く食べられるというのであれば、もちろん使用してもOK!
『自分でできた!』という達成感や満足感は、モンテッソーリ教育においても自立を促すために重要なこと。
大切なことは、どのスプーンを選ぶにせよその道具(=環境)が我が子にとって本当に必要かどうか、親がしっかり見極めることです。
流行りに流されず、情報を取捨選択したうえで、ぜひお子さんにベストなものを見つけて下さい♪
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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