モンテッソーリ教育でよく聞く【敏感期】という言葉。
実はこの【敏感期】が、世の親たちを困らせるイヤイヤ期と深い関係があるのはご存じですか?
【敏感期】を知ることでイヤイヤ期とは何かを知ることができ、子育てがもっと楽になります。
また、【敏感期】を知ることで子供の適切な発達を援助できます。
そう、まさに良いことづくし!
今回はそんな【敏感期】について、詳しくお話していきます。
発達の4段階
【敏感期】について学ぶ前に、まずは子供の発達の4段階についてご説明します。
引用元:日経DUAL
モンテッソーリ教育では、子供の発達を6歳ずつ、4段階に区切って考えます。
- 乳幼児期(0~6歳)
- 児童期(6~12歳)
- 思春期(12~18歳)
- 成熟期(18~24歳)
この図に示されている色や線にも、実はとても意味があります。
赤い線は変容期といって、体も心も大きく変わる時期です。
また、逆三角形の形をとっています。これは、逆三角形の頂点に向けて、エネルギー値が高まることを意味します。
つまり、変容期である1.乳幼児期のピークは3歳(=イヤイヤ期)、3.思春期のピークは15歳(=反抗期)です。納得ですね。
対照的に、青い線は比較的落ち着いている安定期を示しています。
発達とは、生涯にわたり続いていくものです。
したがって、出発点となる(土台となる)0~6歳を、モンテッソーリ教育では非常に重要視しています。
無意識の世界から意識の世界へ
0~6歳は、さらに2つに分けられます。
- 前期(0~3歳)
- 後期(3~6歳)
実は、この前期と後期では決定的な違いがあります。
それは、前期は無意識の世界で生きていて、後期になるにつれ意識の世界へと足を踏み入れるということです。
前期の3歳までは、とにかくなんでも身の回りにある物事を吸収していきます。
言葉を覚えたり、親の動作をマネしたり(やめてー!と思うような恥ずかしい行動でさえも、子供はよく見て覚えています)それが良いか悪いかの判断すらせずに、とにかくなんでも!です。
ところが、3歳以降の後期になると、自らが興味の持ったものだけを一生懸命マネしたりと(戦隊ヒーローなど)意識的に選んで吸収するようになります。
これが、無意識の世界と意識の世界の違いです。
敏感期とは?
では、ここから【敏感期】について詳しくみていきましょう。
敏感期とは、子供がある能力を身に付けるために、外界の特定のものに敏感になり、子供が自ら主体的に働きかけるある一定の時期のことを言います。
この時期には、凄まじいスピードで物事を学び、身に付けて(吸収して)いきます。
それは努力しなくとも、です。
逆に言えばこの時期を逃すと、身に付けるためにかなりの努力を必要とします。
したがって、敏感期に適切な課題(環境)を用意し、子供が自ら学べるように援助することが必要不可欠なのです。
敏感期の種類
敏感期には、主に以下の6つの種類があります。
- 言語の敏感期
- 秩序の敏感期
- 運動の敏感期
- 感覚の敏感期
- 数の敏感期
- 文化の敏感期
引用元:はままつ こどものいえ
一つ一つの敏感期と、それが現れる月齢について、ご説明します。
言語の敏感期
言語の敏感期は、以下の2つの時期に分けられます。
話ことばの敏感期(7ヶ月~3歳)
人が話している言葉に興味を持つ時期。
生後まもない赤ちゃんでも、人の声がする方はじーっと見ますよね。
それが次第に「あー。」「うー。」と真似して発音するようになり、声帯機能の発達とともにうまく話せるようになってきます。
文字の敏感期(3~5歳)
話ことばが上達した後に現れる、文字を読んだり書いたりすることに興味を示す時期。
秩序の敏感期(6ヶ月〜3歳)
場所や順番などにこだわる時期。
例えば・・・
- 中途半端に扉が開いていると必ず閉める
- いつもママが座っている席にパパが座ると怒る
- 保育園まで必ず同じ道を通りたがる
- 玩具はいつも同じ場所にないと気が済まない
といった行動が見られることはありませんか?
秩序とは、世の中の規則やルールのこと。
これに反すると、たちまち不快な感情に襲われて、怒ったり泣いたりするのです。
大人でも、これまで左側通行だった道路が、明日からいきなり右側通行だと言われたら戸惑いますよね。
青信号が進めのサインだったのに、赤信号が進めのサインになったら、きっとすぐには対応できません。
子供も同じです。
やっと生まれてきたこの世界に慣れてきた頃に『いつもと同じ』が崩されてしまうと、何を頼りに生きていけばいいのか分からず、不安になってしまいます。
大人からしたら『そんなことぐらい』と思うような些細なことも、子供にとっては大切な羅針盤です。
ぜひ、尊重してあげてください。
運動の敏感期(0〜6歳)
自立に必要な動きを獲得したがる時期。
例えば・・・
- 箱からティッシュを次々に引っ張り出す
- 落ちている小石を溝に落とす
- いちいち危ないヘリの上を歩く
などといった行動です。
運動の敏感期には段階があり、手足の大きな粗大運動→指先の小さな微細運動の順に獲得され、月齢が上がるにつれどんどんその動きが洗練されていきます。
感覚の敏感期(0〜6歳)
五感(視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚)からの刺激が楽しい時期。
- 小さなアリが動くのをじーっと見続ける
- 堀を触りながら歩く
- こぼれたお茶を手で広げて伸ばす
などといった行動です。
特に3歳までは、このように色々な感覚刺激を試して自分の中に取り込んでいきます。
数の敏感期(3〜6歳)
数字や数量に興味を持つ時期。
この時期には、数を数えたり、比べたりすることが大好きです。
文化の敏感期(4〜6歳)
言語や数以外のものに興味を示す時期。
動物、植物、地図、歴史、美術などがこれにあたります。
敏感期とイヤイヤ期の関係性
では、なぜ【敏感期】とイヤイヤ期に関係があるのでしょうか?
それは、最初にお話しした『発達の4段階』と『敏感期の現れる年齢』に注目すると分かります。
変容期である乳幼児期のピークは3歳です。
そして3歳は、ほぼ全ての敏感期が重なっています。
つまり、イヤイヤ期にあたる3歳前後は、ありとあらゆるものに興味・関心を湧かせ、自らの力で身に付けようと、とてつもないエネルギーに満ちあふれているのです。
このエネルギーこそ、イヤイヤ期の本質です。
対応する親は、子供のエネルギーと変化に振り回され、ヘトヘトになってしまうのです。
おわりに
毎日毎日、イヤイヤ期真っ只中の我が子に振り回されるのは、ほんっっっとーに疲れますし、イライラしますが(私も今まさにそんな状況です)一生に一度しかない成長の時期を、共に暖かい目で見守っていきましょう!
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
Instagramでは、おうちモンテ・知育ほか、子育てに役立つ情報をあれこれ発信中。
楽天roomには、本当に買ってよかった育児アイテムを中心に載せています。
フォローして仲良くして頂けると嬉しいです♪